大判例

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東京地方裁判所 昭和29年(タ)115号 判決

原告 朴成万

被告 朴英治 外二名

一、主  文

一、被告英治、同紀代子、同恵美子は何れも原告の子である事を確認する。

二、訴訟費用は被告等の負担とする。

二、事  実

原告は主文同旨の判決を求め、原因として(一)原告及び被告等は何れも朝鮮黄海道平山郡平山面水庫里二二二番地(北鮮)に本籍を有するものである。(二)原告は右同所に本籍を有する父朴熈淳、母柳斗永の長男として明治四十二年十二月九日右本籍地に於て生れ、大正十四年四月郷里の農学校を卒業し、昭和三年一月三日上京し、同十二年十一月一日宮城県栗原郡高清水町字善光寺十四番地浅沼秀吉、同ゑんの三女であるとみ江と婚姻した。(三)而して原告は東京都墨田区本所厩橋一丁目三二番地に居住し、妻とみ江との間に昭和十二年八月三十一日長男たる被告英治を、同十五年二月十一日長女たる被告紀代子を、同十六年八月十八日二女たる被告恵美子を挙げ、何れも適式の出生届を為した。(四)原告の妻であり、被告等の母である前記とみ江は昭和十八年十月十九日前記宮城県の実家に於て病死したが、被告等は原告の許に於て恙なく生長し、被告英治に現に豊山高等学校高等科第三学年に、被告紀代子は都立第四中学校第三学年に、被告恵美子は同校第一学年に夫々在学中である。(五)然るに平和条約発効によつて原被告共に日本の国籍を失うに至つたのであるが、原告はこれを遺憾に思い、昭和二十九年四月十九日法務大臣に帰化の許可申請を為したが、被告等は何れも未成年者であつて法定代理人によつて之を為さなければならない所、原被告の本籍地が北鮮にあるため戸籍謄本によつて親子関係を証明することが出来ず、止むを得ず本訴提起に及んだ次第であると陳述した。<立証省略>

被告等は原告の請求通りの判決を求め、原告の主張事実は全部認めると答弁した。<立証省略>

三、理  由

一、原告本人の供述及び原告の妻であつた亡とみ江の除籍謄本たる甲第三号証によれば原告が其の主張の地に本籍を有し、主張の如き両親の長男として主張日時右本籍地に於て生れ、主張日時頃上京し、主張の如き本籍を有する浅沼とみ江と主張日時適式の婚姻を為した事を認めることが出来る。

二、外国人登録証明書たる甲第一号証及び同第二号証の一乃至三、証人浅沼勇市、同山本なつの各証言並に原告本人の供述によれば被告等は何れも原告と其の妻亡とみ江との間に各其の主張日時主張の住所に於て生れた嫡出子である事及び右妻亡とみ江は原告主張日時死亡した事を認める事が出来る。

三、原告及び被告等が平和条約によつて日本の国籍を喪失した事は明であり、本件当事者等は之を遺憾として日本に帰化せん事を希望して居るのであるが其の本籍地が北鮮にある為戸籍謄本等を得る事が出来ない事情にあることは原告本人の供述によつて之を認める事が出来る。故に本件確認の請求は理由がある。

四、訴訟費用は民事訴訟法第八十九条第九十三条による。

(裁判官 安武東一郎)

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